編集長現役のプロサッカー選手(2025年10月当時)でありながら、メンタルアロマブランド「poroma(ポロマ)」とスクール事業「Jport academy」を展開するPOORT合同会社の代表である坪川潤之さん。
ご自身のプロサッカー選手としての経験から「メンタル」の重要性を痛感し、事業を立ち上げました。「弱い自分も受け入れ、挑戦する人を後押ししたい」という信念のもと、どのようにしてこの事業を生み出したのか。その独自の切り口や、ブランドに込めた想いについて、詳しく伺いました。
メンタルアロマ「poroma」で弱い自分を味方に!POORT合同会社とは





まずはじめに、坪川さんご自身の自己紹介と会社の紹介をお願いできますでしょうか。



坪川潤之です。現在28歳で、プロサッカークラブの渋谷シティFCでプレーしながら、IT企業でも勤務しています。
そして、POORT合同会社を立ち上げ、アロマ事業とスクール事業の二軸で活動しています。
現役プロサッカー選手が手掛ける「アロマ事業」と「スクール事業」
―アロマ事業とスクール事業について、詳しく教えていただけますか?
坪川さん:
両事業ともメインとなるのは、メンタル、つまり「心の問題」の解決に貢献していくという点です。
スクール事業では、私自身がプロサッカー選手であることから、小学生を対象とした「小学生からできるメンタルトレーニング」をオンラインで提供しています。
また、保護者向けには「子どもを伸ばすための声かけ」が実は子どもの成長を妨げているかもしれないという視点で、現役Jリーガー20名とディスカッションした内容を提供しています。
このスクールも、緊張と戦うことやプレッシャーに打ち勝つために、メンタルでどういうところが重要なのかという部分を伝えています。
アロマ事業に関しても、メンタルというところが密接に関わってきます。私自身の原体験から、「緊張しやすさ」や「プレッシャーをコントロールするにはどうしたら良いか」を深く考えた結果、「香り」にたどり着きました。
そして、緊張と戦うためのアイテムとしてブランドを立ち上げました。
他社にはない「アスリート発」独自の切り口
―他社さんや競合さんと比べて、御社ならではの特徴や強みがあれば教えてください。
坪川さん:
一般的なアロマは、部屋に置いたり、アロマキャンドルなどで香りを楽しんだりして、暮らしを豊かにするものが多いかと思います。
しかし、私はそうではなく「メンタルをサポートしたい」という目的があり、たまたまその手段がアロマだったという点です。
そのため、一般的なアロマ市場とはターゲット層が少しずれていると考えています。また、現役アスリートである私が立ち上げたという点が独自の切り口だと思っています。
そしてスクール事業も、現役アスリートが実際に事業として活動しているという事例がほとんどないため、この点が新しい弊社の強みだと感じています。
―単なるリラクゼーションではなく、メンタル対策としてのアロマなんですね。
坪川さん:
はい、その通りです。


―スクールに関してはどのようなスクールですか?
坪川さん:
小学生に技術を教えられる人はたくさんいます。元プロサッカー選手や、プロでなくてもサッカー経験者は技術を教えられますが、メンタルを教えられる人はほとんどいない、というか少ないのが現状です。
自分自身の原体験として、本当にメンタルに悩まされてきました。メンタルトレーナーも現役時代ずっとつけてやってきたので、誰よりもメンタルと向き合ってきた自負があり、経験値もあります。
その自分が、メンタルトレーナーと歩んできたセッションを、もっと早い年代のうちにしっかりと伝えられる環境があれば良い。そう考え、現在はオンラインが中心ですが、スクール生とコミュニケーションを取りながら、月に1〜2回、オンライン上で活動しています。
―メンタルトレーナーという職業は、一般的にはあまり関わりがないと思うのですが、その辺りはいかがでしょうか?
坪川さん:
メンタルトレーナーという職業も以前はマイナーでしたが、ここ数年でJリーグのクラブがトレーナーを置くようになったり、2020年のオリンピックでも心のケアをする場所が設けられたりしています。
Jリーガーに関しても、個人契約を結んでトレーナーをつけるのが、ここ5年ぐらいで主流になってきていると感じますね。
“アスリート坪川潤之”としての経験がPOORT合同会社の事業の原点


―サッカー選手という立場から、どのような経緯で今の事業を立ち上げることになったのか、教えていただけますか。
坪川さん:
大学の時からプロ入りを決意し、レベルの高い環境でずっと試合に出ていました。しかし、現実としてエリート選手ではなかったこともあり、プロに手が届く場所にいながら、その壁を越えられない時期があり精神的に追い込まれていました。
ピッチに立つと吐いてしまう、パニック障害になるという経験もしました。 その時、メンタルトレーナーに出会うことができて、自分の心と向き合う機会が増えました。プロになってからも5年間、トレーナーと共に向き合いながらやってきました。
そんな中で2023年、SNSで「実は試合中に吐いたことがある、パニック障害になった経験がある」と、自身の経験を投稿しました。
SNSでの発信が事業化へと繋がった転機に
―SNSでの発信が、事業を始められた大きな転機になったのでしょうか?
坪川さん:
はい、そうです。アスリートが「メンタルが弱い」「ストレスに弱い」と発言するのは勇気がいることでした。
しかし、この発信がスポーツメディアに取り上げられ世の中に広がったところ、同じ症状で悩む保護者や現役選手から「一人じゃなくてよかった」「同じ悩みの人がいてよかった」というメッセージを多数いただきました。
これは、「僕にしかできない、僕がやらないといけないことだ」と思い、緊張対策として使っていたミントの香りを本格的なブランドとして立ち上げ、同じように悩む人たちを救いたいという思いから、約二年弱の開発期間を経て11月に「poroma」をリリースしました。
アスリートが手掛けるPOORT合同会社|口コミ・評判・実績





事業をする上で大切にしている価値観のようなものがあれば、教えてください。



「港:port」という言葉が好きなんです。港は、何か新しくチャレンジするときに「船出」をする出発地点であると同時に、帰ってきた船が「たどり着く」場所でもあります。
そういう意味を込めて、「POORT(ポート)」という社名にしました。
「POORT(ポート)」が挑戦する人を後押しする場所でありたいし、ここが自分の居場所だと思える落ち着ける場所でもありたい。みんなのよりどころとなり、誰かのキーパーソンになりたいというのが、私の価値観であり弊社の価値観です。
DMから生まれた、夢に向かう女性アスリートの背中を押した体験
―印象的だったお客様や、やりとりなどがあれば教えていただけますか?
坪川さん:
最も印象に残っているのは女子サッカーをしていた大学生の女性、Aさんです。私と同じようにピッチに立てなくなった経験を持つ方で、私の発信に勇気づけられたとDMをくれました。
直接お話ししたのですが、彼女にとって私に連絡を取るという行為自体が、非常に勇気のある行動だったと感じています。
彼女は現在、poromaを使ってくれているのですが、「poromaの香りが励みになって、大学卒業後の新しい夢にチャレンジしています」という報告をいただきました。
それを聞いた時に、poromaに込めている私の思いである「誰かの背中の後押しができるようなブランドでありたい」ということが体現できたと感じました。
poromaは「深呼吸」をアシストする機能性アロマ
―ブランドのお名前や由来など、PRしていただけますか?
坪川さん:
メンタルアロマブランドの「poroma(ポロマ)」です。
「Port(港)」と「Aroma(アロマ)」を掛け合わせて、poromaという名前にしました。
コンセプトは「弱い自分を味方にする」です。緊張や不安に襲われたとき、気持ちが落ち着かなかったり、「いつもの自分じゃない」と感じることがあるかと思います。
「弱い自分も受け入れ、味方にしていけばきっと良いパフォーマンスが発揮できる」、そして「弱い自分を受け入れて挑戦していこう」という思いを込めたブランドです。
このアロマは機能性を重視しています。精油成分として、副交感神経をとにかく優位に働かせるものをブレンドしており、緊張で高ぶった状態を香りによって落ち着かせることができます。
もちろん香りも大切にしています。この香りの一番の目的は、リラックス効果を最大限に高めるための「深呼吸」をアシストすることです。香りを嗅ぐという行為が、深い呼吸に導きます。
アスリートの悩みから生まれた商品なので、アスリートの方に使っていただきたいのはもちろんのこと、面接・発表会・プレゼン・受験など、ほとんどの人が抱える「緊張する勝負」の瞬間に、poromaが後押しできるような存在になればと思っています。


POORT合同会社の坪川潤之さんがアスリートの次に見据える展望



poromaはECサイトで販売されているのでしょうか?



はい。主にECサイトで販売していますが、今後は販路を拡大していきたいと考えています。
ポップアップストアでより身近に感じていただく機会を提供
―今後の取り組みや、新しくチャレンジしていきたいことがあれば教えてください。
坪川さん:
今はEC販売のみですが、やはり実際に触れてもらう機会を増やしたいと思っています。2025年内もしくは2026年始には、ポップアップを開きたいと考えています。
また、現在は一商品のみなので、いろんな香りや商品を展開し、多様な悩みにアシストできるブランドにしていけたらと思っています。
目標は所属クラブのスポンサード!人生をかけたビジョン



人生レベルでの目指すビジョンのようなものがあれば、ぜひ教えてください。



今所属している渋谷シティFCをスポンサードできるくらいに、ブランドの認知力を高め、よりアスリートをサポートできるブランドにしていきたいというのが、具体的なビジョンです。
―ご自身のチームに貢献するという目標、素晴らしいですね。
坪川さん:
はい、ありがとうございます。
メンタルアロマブランド「poroma」坪川潤之さんインタビューまとめ



ご自身の「パニック障害」や「ストレスに弱い」という弱みを乗り越え、「弱い自分を味方にする」という独自の信念と機能性アロマによって形にしたブランド「poroma」について、POORT合同会社の坪川潤之代表の熱い想いを伺うことができました。
メンタルアロマブランド「poroma」は、アスリート特有の悩みから生まれ、スポーツシーンだけでなく、受験やプレゼンなど、人生のあらゆる「ここ一番」の瞬間に立ち向かう人をサポートします。
「緊張対策」や「ストレス対策」といった悩みを抱えるアスリートやビジネスパーソンにとって、現役で葛藤と向き合う坪川さんが手掛けるporomaは、単なるアイテムではなく、メンタルが強くなる「お守り」のような存在になります。
坪川さんが大切にする「港(port)」のように、poromaは挑戦を始めるすべての方の背中を押し、疲れた心を落ち着かせる居場所にもなってくれるでしょう。
ストレスを感じる時や、何かに挑戦するその時に、ぜひ使ってみていただきたいアイテムです!









