「違い」は、チームの弱点ではなく可能性だった。
Forrest代表・和田祐司氏主催
「チームビルディング体験セミナー」参加レポート
取材のつもりで参加したはずが、
気づけば自分自身のチーム観を見直していた。
2026年6月22日、Forrest代表・和田祐司氏が主催する 「チームビルディング体験セミナー」に参加しました。
今回のセミナーは、講義を聞くだけではなく、 仮想体験ゲームを通じて、チームで成果を出すために必要なことを体感する内容です。
参加者は8名。自己紹介から始まり、和田氏による講習、 そして2つのチームビルディングゲームへと進んでいきました。
最初は取材目的で参加しましたが、自身の組織づくりや、チーム・協業体制を考えるうえでも、自分ごととして学びたいと感じていました。
まず語られたのは、
「違い」をどう捉えるかということ。
セミナーの冒頭、和田氏が強調したのは 「違いから学ぶ、違いを尊重する」という考え方でした。
違いは、間違いではない。
たとえば同じものを見ていても、立っている位置や見えている角度が違えば、 受け取り方は変わります。
組織の中でも同じように、メンバーそれぞれの立場、役割、経験、価値観によって、 見えている景色は異なります。
その違いを「正しい・間違っている」で判断するのではなく、 チームとして全体像を捉えるための大切な視点として扱うこと。 そこから今回のセミナーは始まりました。
人材力
メンバー一人ひとりの強みや特性を把握し、個性を活かす力。
組織力
ビジョンや目標を共有し、チーム全体の方向性を合わせる力。
関係力
認め合い、伸ばし合い、安心して意見を出せる関係をつくる力。
私自身も普段の仕事で、相手と意見が違うときに「相手がわかっていない」と捉えてしまう場面がありますが、自分が正しい・相手が間違っているというのはこちらからの一方通行な見え方に過ぎないと痛感しました。
最初のゲームで見えたのは、
“情報を持っている”だけではチームは動かないということ。
1つ目の体験ワークは「社交ダンスカンパニー」のゲーム。 参加者それぞれにカードが配られ、そこに書かれた情報を口頭で共有しながら、 チームで正解を導き出していく内容です。
ルールは一見シンプルです。 しかし実際に始まると、誰がどの情報を持っているのか、 どの情報が重要なのか、どの順番で整理すればよいのかがすぐには見えてきません。
それぞれが情報を持っていても、 ただ順番に発言するだけでは全体像は見えてこない。 必要だったのは、情報を出し合うことに加えて、 それを整理し、関係性を見つけ、チーム全体で同じ地図を持つことでした。
振り返りでは、 「最初に全体像を確認すればよかった」 「誰かが情報を整理する役割を担うことで進みやすくなった」 「自分では不要だと思った情報も、実は重要だった」 といった気づきが共有されました。
情報共有は、発言量ではなく“構造化”が大切。
ただ情報を出すだけではなく、チームとしてどのように受け取り、 どう整理し、どう意思決定につなげるか。 そこにチームの状態が表れます。
最初は「情報を出せば自然にまとまる」と思っていましたが、実際には情報の出し方や整理の仕方が決まっていないと、全体像が見えにくいことを感じました。私は積極的に発言するタイプではないのですが、自分が持っている情報が重要かもしれないと思うと、しっかりと伝えていかなければ進んでいかない面もあると感じました。かといって自分の考えだけを伝え続けても間違えた方向に進む可能性もある。そのバランスの難しさを実感しました。
2チームに分かれての実践でしたが、今回は両チームともに正解!和田氏の答え合わせまでドキドキしましたが、正解とわかって両チームともに「良かったあ〜」と安堵し、自然とハイタッチが生まれるシーンもありました。抽象的でゴールがふんわりとした中で、一つ一つ情報を紐解き、気づけばチーム一丸となって見えてきた答えを確実なものにしていくフローは、普段の仕事でのチームそのもののように感じました。
見えている人と、見えていない人。
同じ目標に向かっているはずなのに、なぜズレるのか。
2つ目の体験ワークは「ビジョンタワー」。 4人が目隠しをして紐を操作し、残りの4人が言葉だけで指示を出しながら、 指定された形を完成させるゲームです。
直接触ることはできず、指示はすべて口頭のみ。 見えている人が状況を伝え、見えていない人がその情報を頼りに動く。 まさに、組織の中で起こるコミュニケーションの難しさを凝縮したような体験でした。
「右」「前」「もう少し」が、思った以上に伝わらない。
ゲームが始まると、見えている側から次々と指示が飛びます。 「右に動かしてください」「もう少し引っ張ってください」「少し下げてください」。
しかし、指示を受ける側は目隠しをしているため、 自分の手元がどうなっているのか、全体の中でどの位置にいるのかがわかりません。
見えている側にとっては明らかなことでも、 見えていない側にとっては、言葉だけが頼りです。 そのため、同じ「右」でも、誰から見た右なのか。 「少し」とはどのくらいなのか。 そこにズレが生まれていきます。
必要だったのは、指示の量ではなく、状況の共有だった。
途中から、単に細かく指示を出すだけではうまくいかないことが見えてきました。 大切だったのは、今どのような状態にあるのか、 何を目指しているのか、次に何をしたいのかを共有することでした。
目標が見えていない人に対して、 どれだけ正確に状況を伝えられるか。 そして、見えていない側の不安や混乱を想像できるか。 そこにチームとしての関係性が表れていました。
これはゲームではなく、組織づくりそのものだった。
経営者、管理職、現場メンバー、外部パートナー。 組織の中では、同じ目標に向かっていても、 それぞれが見えている景色は違います。
だからこそ、ただ「指示する」のではなく、 目的、状況、背景、役割を共有することが必要になります。 ビジョンタワーは、その難しさと重要性を身体で理解する時間でした。
今回は参加者全員でワンチーム。率先して声を出す人、見えない中で少しずつフラストレーションが溜まる人、思うように動けない人など、チーム内で普段起きているコミュニケーションの癖が、そのまま再現されているかのようなゲームでした。いくつもの難関があり、一つ達成すれば喜び、あと少しのところで達成できなければうなだれる人も。まるで普段の会社運営でも起きていることが体現されるかのようなゲームでした。
「右」と伝えても受け取る方は曖昧で、また、指示をする人から見えている「右」もすぐ近くの人が見ると「斜め右後ろ」だったりする。これは普段の仕事でも同じで、このような『認識のズレ』が少しずつ組織の摩擦になっているのではないかと感じました。
体験してわかった、
成果を出すチームに必要な3つのこと。
2つのゲームを終えた後、参加者全員で振り返りを行いました。 そこで見えてきたのは、チームの成果を左右するのは、 個人の能力だけではないということです。
伝える前に、
全体像を共有すること。
情報があっても、チーム全体で同じ地図を持てていなければ、 それぞれの発言や行動は噛み合いません。 まずは「何を目指しているのか」「今どこにいるのか」を共有することが重要です。
役割は、自然発生に任せすぎないこと。
情報を出す人、整理する人、問いを立てる人、全体を見て進行する人。 チームにはさまざまな役割が必要です。 誰が何を担うのかが曖昧なままだと、動き出しに時間がかかります。
違いを、間違いとして扱わないこと。
見えている景色、考え方、得意なこと、反応の仕方は人によって違います。 その違いを否定するのではなく、 チームの全体像を補う視点として活かすことが大切です。
チームビルディングとは、
仲良し集団をつくることでも、独裁的な集団をつくることでもない。
組織の目標やVISION達成のために
コミュニケーションをとること。
チームの問題は「能力不足」ではなく、「見えている景色の違いを共有できていないこと」から起きる。その結果、お互いを分かり合おうとしなくなり、違いを認め合うことができなくなっていくのではないかと感じました。
2つのゲームを通して和田氏は、ただ見てるだけでなく、しっかりと観察して、日常と繋げやすくするために問いかけ、私たちにチームビルディングに必要な『考え方』を間接的にアドバイスしてくれました。ただゲームをしていたら気づけないような側面も、和田氏が様子を伺って「それも実は部下に○○って言ってしまってるのと同じですよね。」と言われ、「確かに…自分もしてしまっている心当たりがある。」と思うことも多々ありました。
ゲーム、そして講義を通して、人の強みを活かして組織の目標やVISION達成のためにコミュニケーションをとることの大切さを学べた素晴らしい3時間でした。
体験を通して見えた、
チームのリアル。
講義、ゲーム、振り返り。 それぞれの場面で見えたのは、 「同じ目標を見ていても、見えている景色は人によって違う」 ということでした。
今いるメンバーで、
成果を最大化するチームをつくる。
和田 祐司 氏
「違いを活かし、成果につながるチームをつくる」 をテーマに、組織開発、チームビルディング、 行動特性分析などを通じて、 企業や組織の成長支援を行っている。
一人ひとりの強みや価値観を理解し、 組織全体のビジョン実現につなげる チームづくりを得意としている。
チームビルディング研修
体験型ワークを通して、 組織の課題やコミュニケーションを可視化。
組織開発支援
ビジョン浸透、 組織設計、 マネジメント支援。
行動特性分析
メンバーの特性を可視化し、 強みを活かした組織づくりを支援。
チームづくりは、
「違い」を知ることから始まる。
今回のセミナーを通して感じたのは、 チームの問題は、必ずしも誰か一人の能力不足から起こるものではないということです。
見えている景色が違う。 持っている情報が違う。 得意なことが違う。 大切にしている価値観が違う。
その違いを「ズレ」や「間違い」として扱うのではなく、 チーム全体で成果を出すための視点として活かしていく。 それが、今回の体験を通して見えたチームビルディングの本質でした。
普段の仕事でのクライアントワーク、組織づくり、参加しているコミュニティなどでのチーム運営など、 どの場面でも「伝えたつもり」「わかっているはず」が起こり得ると感じました。
「今いるメンバーで、どうすればもっと良いチームになれるのか」
その問いに向き合うきっかけとして、 今回のチームビルディング体験セミナーは、 とても実践的で、学びの多い時間でした。

